なぜ彼は50社全滅したのか?⑧

就職コンサルタント、福島直樹です。今回は、一部の就活生が50社全滅する悲劇について最後のまとめをします。

 

就活生が50社全滅する2つの要因

 

この悲劇が起きる要因は主に2つ、個人的な要因と環境的な要因があると私は感じています。

 

●個人的な要因

A少数の人気企業しか受けない、Bコミュニケーション力に問題、C学生時代にがんばった経験がない、D自己中心的な性格など人柄の問題

毎年多数の就活生をみていますが、上記のAからDの4つの中の複数の要因が重なった場合に50連敗などの悲劇が起きることが多い。このように私は感じています。

 

●環境的な要因

・好不況に関わらず一部の人気企業は常に100、300、場合によっては1000倍という異常な競争倍率になっている。

・多くの就活生はこの事実を知らぬまま活動をしている。

・多くの企業はこのような事実を公表しないことが多い(一部の企業が就職四季報で公開しているのみ)。

 

 

なぜこのような環境(異常な倍率)が生まれたのか?

 

就活の状況を昔と今で比較した表をまとめました。企業を受ける自由がどう変わったのかがわかります。この自由化が異常な倍率と関係しています。

 

■表:就活の昔と今(企業を受ける自由の変遷)

企業を受ける自由 世論の動向 競争倍率

 

自由が制限されていた

・推薦依頼大学制度(1960〜70年代)

・指定校制度(70年代〜80年代)

自由の制限にさほど反発せず

・大学短大進学率16.1%(66年)

・大学学部進学率26.5%(85年)

・インターネット存在せず

概して低い

(人気企業でも50倍程度)

自由がほぼ実現している

・就職ナビ(96年〜)

自由の制限に反発する(機会均等を求める世論が80年代から定着した)

・大学学部進学率51.5%(2015年)

・ネットで炎上も多数あり

一部で高い

(100〜300倍、時に1000倍超)

 

この表からわかること→ほぼすべての就活生がほぼすべての企業を受けられる自由な世界が実現しました。これはとても良いことですが、副作用もありました。

一部の人気企業に就活生が殺到するようになったのです。結果として100倍〜1000倍という異常な世界が出来上がってしまいました。異常に消耗し苦しむ就活生が出てきたのです

 

昔=自由が制限されることで就活が安定していた。→50倍程度

今=自由が実現したことで就活が不安定になった。→時に1000倍

 

異常な倍率が自由化の副作用なのです。そこで私は下記のような解決策を提案します。

 

 

解決策「就活の見える化」

 

・新卒採用をおこなう全ての企業に、受験者数(エントリーシート(ES)送付者数、本エントリー数)、内定者数、競争倍率、内定者全員の出身校名と出身校別の人数の公表を義務づける。

 

・その情報を自社の新卒採用WEBサイトの募集要項の欄に記載する

(金融商品取引法24条を修正し有価証券報告書に記載することを義務付けても良い。)

 

■表「就活の見える化」のイメージ

◎◎コーポレーションの新卒採用の状況

受験者数

(ES送付数)

内定者数

(入社予定者数)

競争倍率

(ES送付者数÷内定者数)

約12000人 61人 約200倍
・ 出身校:◎◎大学(3名)、□□大学(2名)、△△大学、◯◯専門学校、、、(以下略)、、(各1名)、合計61名

 

「就活の見える化」とは、大学受験に例えるならば、偏差値(入試難易度)や受験倍率のようなものです。

 

 

見える化のメリット

 

①学生は自分の就活の相場観を客観的に理解できるようになります。

→人気企業のみ50社受験がいかにリスクが高いかがわかる

→無謀な就活が減り50連敗する学生が減少する

 

②いわゆる入試偏差値の低い大学の学生へ、企業が配慮する可能性が高まります。

→競合他社と比べ内定者が上位校に偏っている企業ではイメージ悪化のリスクが高まる

→学歴フィルター問題の改善につながる可能性もあります

 

 

結論

 

ほぼすべての就活生がほぼすべての企業を受けられる、自由化の果実を維持しながら、新卒採用の民主化が進むかもしれません。もしそうなったら本当に素晴らしいことだと思いませんか? ぜひこのようなが施作が実施されることを期待します。

 

次回からは新しいシリーズ、「学歴フィルターって何だ?」を始めます。お楽しみに。

 

 

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